日本点字事情
かわら版

横浜市立盲学校
点字研究部

文責 道村静江

2006年2月13日発行 NO.62

     WinBES (.bes)を使いこなすテクニック その1

 1.片面書きと両面書きのファイル選択
 WinBESを起動したら、片面書きか、両面書きにするかを最初に選びましょう。
 「設定」→「プリンター設定」でプリンターの種類を選びます。
 @片面書きには、New721,ESA721のどちらかを選びましょう。
(ESA721は、古いプリンターで本校にはもうありません。でも、これを選んでも片面印刷はできます。New721はグラフィックも出力できるもので、本校は全てこれです。)点字用紙は、「A4,B5,自由」の3種類がありますが、本校では全てB5で、これにすると自動的にページの行数が22行に変わります。 (1行の文字数は32マスで変わりません。)
 A両面書きには、「New721両面」を選択します。すると、ページの行数が18行に変わります。

 2.ページ番号の書き方
「ファイル」→「新規作成」で新しいファイルを開きます。すると、1行目は青く表示され、そこにカーソルは自動的に入りません。1行目はページを記載する行ですので、常に空けておきます。ページ番号は28マス目から書きます。

 3.入力を始める前にする設定
 @「設定」→「入力設定」で「6点入力」か「ローマ字かな入力」かが選べます。できれば6点入力で行ってほしいです。ローマ字入力ばかりしていると、長音にすべき「ウ」をそのままにしてしまったり、言葉の終わりの「は」「へ」をそのまま入力してしまいがちになります。ローマ字入力の人は、つい普通文書の癖が出てここで間違う人が多いです。また、小見出し符や第2カッコや第2カギなどの記号類や特殊音などが入力できなくなります。どう変換していいのか何のキーを使ったら目的の点字になるのか、大変な作業になります。やはり6点入力に慣れるのが一番です。
 A「設定」→「表示設定」で画面を見やすい表示にします。「点字、カタカナ、ひらがな、英字」が選べます。ここで選ぶと、これ以降立ち上げたBESは全てこの表示になります。今のファイルだけその表示にしたければ「表示」で切り替えます。また、点字とカタカナを2行分で表示したければ「F4」キーを押すと画面上で「墨訳」状態になります。「F5」を押せば元に戻ります。「ひらがな」画面にして使う人が多いようです。このとき濁音などはマスの場所を合わせるために濁音符が付いてきます。

 4.入力の途中で使う機能
 @上書き/挿入
 この切り替えは、キーボード右上の「ins」インサートキーを押します。BES画面の右下にその区別が表示されます。
 A改ページ
 この箇所で強制的に改ページを行いたい時に使い、その箇所で「F6」を押すと改ページ記号が付きます。もちろん改行マークを打ち続けてページを改めてもよいのですが、後で行の挿入や削除をいろいろいじくっているうちに、意図した箇所でページ替えしていないこともあります。そんな時に改ページ記号を付けておくと便利です。
 B置換・検索
 長文を打った後で、同じ間違いを何回もしたと気づいた時、「編集」→「置換」が便利です。「検索する文字列」と「置換する文字列」にそれぞれ文字で入力します。マスあけを含めたセットで入力することができるので、分かち書きの間違いや記号の使い方、記号のマスあけもセットで一度に変換できます。今あるカーソルの位置から探し始めるので、全部を点検する時はトップに置いてから開始するとよいでしょう。置換する場所でその都度確認してくれます。この機能は、自動点訳の時に使うととても便利です。自動点訳では、同じ間違いを何回もしますから修正が大変ですが、「置換」の機能を使うとすぐに修正できます。
 「検索」も同じ方法でやりますが、カーソル位置の一番近い箇所1箇所しか調べてくれません。
 Cコピー/切り取り/貼り付け/削除
 一般のワープロと同様のことができます。したい範囲をドラッグして青く反転させ、「編集」からこれらのことができます。
 D入力し終えたら、ページ確認
 最終ページの使っている行を確認しましょう。ほんの少しの行ならば、何とか前ページに収まるように工夫しましょう。特に、両面書きの奇数ページにほんの少しだけ行がはみだしているのは、紙がもったいない!何とか収まる工夫をしたいものです。でも、点字のきまりを間違えてまで詰めてしまってはいけません。空白行を減らしたり、行末が大きく空いている行で、助詞・助動詞などマスあけをして行移しをする工夫なども、ほんの少しだけ詰めることにつながります。究極のテクニックは、やむを得ずページ行を使って1行分減らすことができます。しかし、これは1枚の印刷の時だけです。
 「ページ番号付加」機能を使って、ページ番号を打ちましょう。
自動ページ番号の付け方は、1ページ目のどこかにカーソルを置いて(任意のページでもいいですが)、「ページ」→「ページ番号付加」を選ぶと、付ける数字を聞いてきます。1でよければそのままリターンキーを押します。
 番号を書き換える時は入力方法がローマ字かなであればテンキーを使い、点字入力であれば点字で数字を書きます。(この方法は、印刷部数やページを数字で入力する時、置換文字を入力する時も同じ)このページ番号付加は、最終行まで入力し終えたら実行するのがよいです。書いてあるページまで認識して、自動的にページ番号を打ってくれます。

 5.墨点字印刷
 墨点字も確認のためによく印刷して使いますよね。「ファイル」→「墨点字印刷」でその時の画面表示がそのまま印刷されます。「F4」で画面上カタカナで下に墨訳してあっても「墨点字印刷」を選択すれば墨訳は出ません。
 点字とカタカナ墨訳併記で印刷したい時は、「墨訳(日本語)印刷」→「点字あり」にします。「墨訳(日本語)印刷」→「点字無し」を選ぶと、画面上はひらがな表示でも、点字の付かないカタカナで印刷されます。「墨訳(日本語)印刷」を選ぶと、そのカタカナは点字のマスに一致していないので、ひらがな表示のまま「墨点字印刷」した方が、マスあけも表示されていて見やすいように思うのですが、人それぞれですね。印刷する用紙もA4,B5が選べます。