日本点字事情 かわら版 |
横浜市立盲学校 点字研究部 文責 道村静江 |
2005年5月25日発行 NO.49 | |
数字の覚え方 今回の内容に入る前に、前回の講習会で好評だった数字の覚え方を伝授しましょう。 数字は「アイウルラエレリオロ」と覚えてはいけません。形で覚えましょう! 1,2,3はOK!問題は4〜0。まず上4つの点で構成される点字を四角形に見立てます。まずは4の形だけ優先的に覚えましょう。 4 ┓ 右手にペンを持って書く時に、四隅の角のうち、この右上角が一番書きやすい。 まずは、この書きやすいところからスタートです。 5 \ 4の右上角から上側を左に向かいます。5はその時の進む方向を示しています。 6┏ 四角形の左上に来ました。左手で角を作ってみましょう。 7 □ 四角形全部を囲む形。これはすぐに覚えられて、問題はないでしょう。 8┗ 6の左上の角から下に降りて、左下の角です。左手で作ってみましょう。 9 / 今度は下側を右方向に進みます。9はその時の進む方向を示しています。 0 ┛ 右下の角に来ました。右手で角を作ってみましょう。 これで4から0まで四角形の周りを規則正しく一巡したことになります。 (文章だけではうまく伝わりませんね。両手を動かして体で覚えてください。) 第2回 点字研修会 Part1 「アルファベットの書き表し方」 その1 アルファベットの書き表し方 1.まずは26文字を覚えましょう。墨字を知っている人は、その形にこじつけて覚えると簡単に覚えられて、しかも単発で思い出せます。独断と偏見の極みのこじつけ法があります。どんな自己流でも覚えてしまった方が勝ちです。 <第2編p[14]> 2.日本語文中のアルファベットは、外字符を前置して書きます。そしてその後に続くアルファベットは小文字であることが暗黙の了解事項です。もし、大文字を書きたい場合は、外字符の後に大文字であるよと知らせなくてはならず、大文字符を使います。しかし、これはその後の一文字にしか効力を持ちません。もし、大文字が2個以上続く場合は、それ以後ずーっと効力が切れるまで大文字だよという指令の二重大文字符を使います。 <p29 1.> 3.ややこしい使い方として次のような例があります。解読できますか? AMeDAS AMeDAS <p30 (3)[備考2]> 4.アルファベットは26個もあって様々な形があり、カナと同じものがたくさんあって区別しにくい。そこで、アルファベットであるか、カナであるかの区別をはっきりとつけなくてはいけない。(数字は10個だけで、しかも上4つの点からだけでできているから区別がしやすかった。だから、カナとくっつけてもよかったのです。ア行・ラ行と区別するには第1つなぎ符を使いました。思い出しましたか?) そこで、アルファベットとカナを区別するには、マスあけを利用します。 外字符の効力は、言葉が切れる次のマスあけまで続きます。だから、アルファベットの後は必ず一マスあけ、外字符体系からカナ体系に戻ったことを知らせます。 <p31 (3)(4)> 5.アルファベットを含む一語になりきっている言葉は、途中でマスあけできません。 「カナ+アルファベット」は途中にアルファベットに切り替える外字符が挿入されるので、そのまま続けられます。 <p30 3.(1)> 問題は、「アルファベット+カナ」です。数字の時のア行・ラ行のように第1つなぎ符を使います。 この第1つなぎ符もその前の体系を切る効力があります。 <p30 3.(2)> 6.一語になっている「アルファベット+数字」「数字+アルファベット」は、それぞれにその体系を示す前置符号が付いているので、マスあけがなくても容易に区別が付くので、続けて書けます。 <p30 2.> 7.外字符の効力が続くか続かないかの区別に、もう一つややこしい話があります。 @DOS/Vのようなスラッシュを含む場合、特別な記号としてを使うことができます。このは、前の外字符の効力を切らないので、その後もアルファベットを続けて書くことができます。ただし、スラッシュの後に大文字を書く場合には、もう一度大文字符や二重大文字符を前置する必要があります。これは、外字符の効力は切らないけれど、大文字符などの効力は、違う記号が入ったために失われるからです。 <p30(4)> AMS−DOSのようなハイフンが入っている場合、このハイフンの代わりをする記号(第一つなぎ符)を利用します。しかし、このは、外字符の効力を切るため、再度外字符を付け直さなければいけません。 <p30 (5)> 8.アルファベットの後に続く助詞や助動詞は、1マスあける。理由は当然、カナと区別しにくいためです。助詞・助動詞はくっつき言葉といえども、わざわざ第1つなぎ符を入れてまで一語であることを強調する必要性もないからです。 <p31 (4)> 9.アルファベットの後に続く記号は、続けることができる。 理由は、記号が前の外字符の体系を切るはたらきをするからです。 <p31 (5)> 私が初心者の頃、数字とアルファベットとカナが混じった言葉の時に、なぜこんなにもマスあけがいろいろなのかと、理解に苦しみました。その度に手引き書を見るのですが、すぐに忘れてしまいます。ずっと後になって、前置符号の効力がどこまで影響しているかに考えが及んだ時に、頭の中がスッキリしました。点字はとっても論理的な文字です。理屈が分かれば、このややこしく書かれてあるきまりがスッと頭に入ってきます。 点字を書いたり読んだりするのは慣れですが、きまりは理屈です。このパズルを解くようなおもしろさを感じられると、シメタものです。 その2 英単語の書き表し方 1.外国語の長文や縮字・略字を使うことは、英語科に任せておいて、日本文中に多く登場するようになった英単語の書き方です。これは簡単。外国語引用符〜で囲みます。その中に大文字の区別だけつけて、アルファベットを書き連ねていけばいいのです。外国語引用符の外側のマスあけは、今までと同じような考え方でいきます。つまり、外国語引用符の後に続くカナ、助詞・助動詞、カッコ類などの開き記号などの間は、1マスあける。 <p32 4.(1)(2)> 2.英単語とカナがくっついてひと続きの語となっている場合も、外字符を使った言葉と同様の扱いをして第一つなぎ符を使います。 <p32 (3)> 3.略称と英単語の区別 このの見分け方はかなり難しい。はっきりと英単語だと分かれば文句なしに外国語引用符を使いますが、最近は英単語のような造語が山のように登場しています。迷ったら、外字符を使ってください。 <p34 (2)> |