日本点字事情
かわら版

横浜市立盲学校
点字研究部

文責 道村静江
2002年3月15日発行 NO.43

「日本点字表記法2001年版」 改訂内容解説6

 10.点字情報処理用記号の使い方
   <表記法 第2章 第3節 15.p27  第4章 第5節 7.p77>
 ホームページやEメールのアドレスなどを表す場合、どう書いていいのか困りますよね。それもちゃんと載るようになります。
「情報処理用点字のナチュラル表記を用いる」とありますが、簡単に言えば、
  単独大文字符直後の大文字1個だけに有効(一般の大文字符と同じ)
  連続大文字符後ろを大文字状態にする(一般の二重大文字符と同じ)
  小文字フラグ後ろを小文字状態にする(一般の外字符と同じ)
  数字フラグ後ろを数字状態にする(一般の数符と同じ)
 ここまでは、一般の表記とあまり変わりない使い方と言えます。ナチュラル表記では基本状態が小文字状態になりますので、大文字の所を気を付けます。また、要注意なのが数字の後です。(ドット・ピリオドの後は数字の継続とみなし、数字の後のa〜jはもう一度小文字フラグを前置する必要があります。)
 まずは特有の記号のうち次の項目だけ知っていれば、通常のアドレスなどは書けるでしょう。これらの書き表し方は、生徒にも是非教えてあげてください。

 @内部が情報処理用点字で書かれていることを示す囲み符号で前後を囲みます。
 Aスラッシュ/は、を使います。(分数線と同じ形)
 B「:」はを使います。ただし、ホームページのhttpの後の「:」はこれを使いますが、E-mailのあとの「:」などのように、説明の小見出し符的に使ってあるものは、情報処理用点字の:は使いません。マスあけで処理しましょう。
 Cドット(.)はです。これは一般の表記のピリオドと同じですが、情報処理用点字表記ではピリオドは数字の継続と見なすという特別なルールがあります。そのため、数字+ピリオド+小文字のa〜jの順に続くときは、a〜jが数字の1〜0と区別が付かないので、アルファベットの前に小文字フラグ を前置しなければなりません。
 Dアットマーク@はです。
 Eオーバーライン()とチルダ()は墨字での表現は異なりますが、情報処理用記号として同一ですので、点字ではどちらも同じを用い、アンダーバー_はを使います。また、ハイフンはを使います。
 Fアドレスが長くて一行に書ききれないときは、2行目以降の行頭に行継続符Cの点を書いてから続けます。どこで行移しをするかは、まとまり毎の区切れ目で行移しをするとわかりやすく、二マスからなる点字記号の途中や状態変更のフラグの直後では行わない。
 Gアドレスに漢字やカナなどが含まれる場合は、情報処理用点字の日本語囲み符号の中に日本語の部分を通常の表記で書く。

<例1>   http://www.mext.go.jp/a-menu/shougai/21plan/index.htm
    □□ 
           http : //www.mext.go.jp/
    
      a−menu/shougai/21plan/index.
     
       htm

<例2>   http://www.foo.or.jp/~yamada/HTML001.htm 
    □□ 
          http : //www.foo. or. jp/
    
      〜 yamada / HTML 001. htm
    (上チルダ)     (連続大文字符)    (数字+ドット+}+hに注意)

<例3>   E-mail:k_ishikawa@d1.t-tenji.ne.jp
    □□  
           E−mail  :  k_ ishikawa
    
      @d 1 .  t−tenji. ne. jp
      (数字+ドット+tだから}は付けない)
 E-mailは単なる英単語ですから外国語引用符でくくり、その後を1マスあけて、次の情報処理用囲み符号と区別しています。ところで、コロンは日本文中では第2小見出し符として使われているものです。ですから、こだわればE-mailの後に第2小見出し符として**を使いたくなるかもしれませんが、情報処理用と紛らわしいので、ここでは使わずにマスあけに代えます。
 さらにこのコロンは、英文中の記号ではですが、これは日本文中でも情報処理用点字にも使われません。便利帳の記号一覧のところで見つけたからといって喜んで使わないようにしましょう。